【10月17日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の公安ネット警察部門が今年3月、インターネット上で児童の予防接種情報とその保護者の連絡先が大量に取り引きされているのを発見し、個人情報の侵害を疑った。

 さらに調査を行った結果、杭州市濱江区(Binjiang)のある科学技術関連企業の社員が情報システム構築の権限を悪用し、個人情報を違法に入手、売買していたことを突き止め、犯罪グループのメンバーと不当な利益を得る仕組み、情報を購入した者などについても調査し、犯罪行為の裏付けを取った。

 杭州警察は4月24日、200人以上を動員して濱江区と情報購入者がいたとみられる6地区で容疑者39人を逮捕、そのうち27人に対し刑事強制措置を取った。違法に入手したとみられる個人情報は370万件で、データ量は40GBに達した。

 この企業は2016年、浙江省の疾病予防対策部門の依頼で、ウェブサイト情報化構築事業を請け負っていたことがわかった。社長の黄容疑者は、技術責任者の社員に対し、同事業に関する権限を悪用して個人情報を入手させた。同時に、営業責任者の社員には買い手を探させ、1件につき0.7~0.8元(約11.9~13.6円)という価格で取引し不当に利益を得ていたという。2016年9月から現在までの間、違法に取引された個人情報によって不当に得た利益は約200万元(約3411万円)に上った。

 さらに、別の元社員が離職後、違法に入手した個人情報を別の教育関連企業へ販売し、この企業がさらに別の組織へ転売したとみられる。現在、黄容疑者ら5人は、個人情報侵害の罪で検察に起訴されている。

 杭州警察は2017年3月から、インターネットを使った個人情報の侵害行為に対して特別チームを設けるなど力を入れている。これまでに、個人情報侵害事件37件、摘発した犯罪グループは32グループ、逮捕した容疑者は479人。違法に取引された個人情報は1552万件以上、事件に関連した金額は700万元(約1億1941万円)以上にのぼる。(c)CNS/JCM/AFPBB News