【10月16日 CNS】中国・甘粛出入境検験検疫局(Gansu Entry-Exit Inspection and Quarantine Bureau)は11日、チャーター機で前日に甘粛蘭州中川空港(Lanzhou Zhongchuan Airport)に到着したオーストラリアのアルパカ861匹に対し、同局の作業職員による現場検疫ののち、現在は指定の場所で隔離検疫を進めていると発表した。同局が実施した中・大型輸入動物に対する大規模な隔離検疫としては、2016年のオーストラリア羊の輸入時に次ぐ規模となった。

 貨物専用機が同空港に到着すると、同局職員は中国・国家質量監督検験検疫総局(General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine of the People's Republic of China)の関連規定にもとづき、現場での検疫を行った。検査の結果、アルパカたちの状態は良好で、傷ひとつ無いとのことだ。同局によると、現在は45日間の隔離検疫中。24時間態勢で現場の監督・管理を行い、一週間以内に全頭の採血を済ませてから実験室へ搬送し、5000項目に近い検査・検疫診断を進めていくという。

 隔離検疫に通過すると、アルパカたちは山東省(Shandong)や内モンゴル(Inner Mongolia Autonomous Region)などへ搬送され、自国種との交配による新たな交配種の育成、観賞用、研究用などに用いられる。

 甘粛出入境検験検疫局は今回の隔離検疫作業を円滑に実施するため、関連機関と共同で、空港の駐機場や隔離検疫場、積載工具に対し事前に消毒処理を行ったほか、突発的に疫病が発生した際の対応を想定した予行演習など行った。

 アルパカは、外見は少し羊に似ており、一般的に海抜4000mの高原に生息する。性格はおとなしく、利口で人懐っこく、野生種以外では相当数の飼育されたアルパカが農耕や運搬などに広く利用され、牧畜にも適していることから南米では重要な家畜とされている。

 また毛は羊よりも長く、光沢や弾力性もあることから、高級な毛織物の原料にもなる。世界では約300万頭近くいると言われ、90%以上が南米・ペルーやチリの高原に生息しており、そのほかにはオーストラリアのビクトリア州とニューサウスウェールズ州に生息している。(c)CNS/JCM/AFPBB News