【10月15日 AFP】米アカデミー賞(Academy Awards)を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は14日、セクハラや性的暴行、レイプに関する多くの疑惑が浮上した大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏(65)を除名処分にすると発表した。

 54人の理事からなる同アカデミー理事会は、緊急会合を開いて投票した結果「(除名処分に)必要な3分の2の多数を優に超えた」と明らかにした。「われわれは同僚からの尊敬に値しない人物から距離を置くだけではなく、われわれの(映画)産業で行われてきた性的搾取行為や、職場におけるハラスメント行為を故意に黙認したり、恥ずべき共犯的行為をしたりする時代は終わったというメッセージも送る」と述べた。

 今月に入り米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が一連の疑惑を報道して以来、同氏による過去数十年間の性的虐待行動に関する証言が次々に浮上。今月12日には米女優ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)さんがワインスタイン氏によるレイプ被害を訴えた4人目の女性となった。

 同アカデミーは、「いま問題になっているのは、社会に存在すべきでない大変深く厄介な問題だ」「アカデミー理事会は、すべてのアカデミー会員が体現することを期待される倫理的基準の確立に向けた取り組みを続ける」と述べた。

 一方、全米製作者組合(Producers Guild of America)に近い筋がAFPに語ったところによると、同協会も会合を開いてワインスタイン氏の懲戒手続きと会員資格について検討する予定だという。

 ワインスタイン氏に関するスキャンダルが明るみに出て以来、米女優のミラ・ソルヴィノ(Mira Sorvino)さん、ロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)さん、グウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)さん、アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さん、レア・セドゥ(Lea Seydoux)さんらも同氏にセクハラを受けたと告白している。(c)AFP/Javier TOVAR