【10月15日 AFP】米カリフォルニア(California)州の消防当局は14日、同州北部で発生した大規模な山火事の死者が35人に達したと発表した。現在は1万人以上の消防士が16か所の火災の消火に当たっており、被害地域の住民約10万人が避難したという。

 カリフォルニア州森林保護・防火局(Cal Fire)によると、今月8日以降、およそ864平方キロメートルにおよぶ住宅地や森林などが焼失した。

 森林保護・防火局は声明で、「今回発生している火災は極めて破壊的であり、これまでに建造物約5700棟が焼失したとみられる。消防隊員は行方不明者の捜索を続けている。これまでの死者は35人に上った」と述べた。「強い北風で火の勢いは激しくなり、現在も北カリフォルニア全域にレッドフラッグ警報(極めて深刻な火災の恐れがある気象条件の際に出される警報)が出されている。北風の勢いは今日いっぱい続き、今夜までには弱くなると予想されている」

 森林保護・防火局によると、同州北部のサンタローザ(Santa Rosa)では夜明け前の風でナンズ火災(Nuns Fire)と呼ばれている山火事が2方向に分かれ、オークモント(Oakmont)付近とソノマ(Sonoma)北東の住民数千人が避難を強いられた。

 地元紙サクラメント・ビー(Sacramento Bee)によると、火災の影響を受けたサンタローザやナパ(Napa)、ソノマ、ペタルーマ(Petaluma)、ノバート(Novato)の各市では、教会が住民の避難所や消防隊員の休息所として使われているという。

 当局によると、先週発生した今回の火災はカリフォルニア州史上最も多い死者を出した。同州ではこれまで、1933年にロサンゼルス(Los Angeles)のグリフィス・パーク(Griffith Park)で発生した火災では少なくとも29人、1991年にオークランド・ヒルズ(Oakland Hills)で発生した火災では25人が死亡していた。

 ソノマ郡のロブ・ジオルダーノ(Rob Giordano)保安官は13日、同郡の保安官事務所は家族や友人から届け出があった行方不明者の捜索を続けていると述べた。1308人の行方不明届が提出され、うち1052人の無事が確認されたという。

 同州最大のワイン産地であるナパ郡とソノマ郡では今回の火災で数百人が家を失い、現在も避難命令下に置かれている。(c)AFP