【10月13日 AFP】カンボジア当局は13日、同国および同国の有名な寺院を「犯罪の温床」と描写した場面があるとの理由で、米スパイアクション映画『キングスマン:ゴールデン・サークル(Kingsman: The Golden Circle)』の国内上映を禁止したと発表した。

 同作はハリウッド(Hollywood)のアクションコメディー映画の続編で、英米のスパイ機関が協力して麻薬王の隠れ家を捜索するという筋書きだ。

 カンボジア文化省映画局のボク・ボラク(Bok Borak)局長はAFPに対し、同作が「カンボジアの国名を犯罪者の隠れ家に使っており」「容認できない」ため、全国の映画館での上映を禁止したと語った。

 ボラク局長は「さらなる懸念事項は、この映画がわが国の寺院の一つを、麻薬を生産し人々を残虐に殺害する場所として描いていることだ。したがって、わが国においてこの映画の上映は認められない」とも述べた。

 ボラク局長は、この映画の撮影地はカンボジア国内ではないが、麻薬王の拠点として登場する寺院は、有名なアンコール遺跡群の一つで木の根が絡まったタ・プローム(Ta Prohm)寺院に似ていると指摘。同寺院は国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の「世界遺産(World Heritage)であり、われわれは寺院を守らなければならない」と述べ、『キングスマン』のプロデューサーに「カンボジアの失望」を示す手紙を送ったと付け加えた。

 タ・プローム寺院は映画『トゥームレイダー(Lara Croft: Tomb Raider)』の舞台として使用されたこともある。(c)AFP