【10月13日 AFP】スイス検察は12日、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)やカタールのスポーツメディアグループbeINのトップを務めるナセル・アル・ケライフィ(Nasser Al-Khelaifi)会長と、国際サッカー連盟(FIFA)の前事務局長で不正疑惑の渦中にいるジェローム・バルク(Jerome Valcke)氏を対象とした汚職容疑の捜査を開始したことを明らかにした。

 カタールのスポーツ界に強い影響力を持つアル・ケライフィ会長と、FIFAを長年率いてきたジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前会長の右腕だったバルク氏は、今後開催されるW杯(World Cup)の放映権販売に関する汚職容疑がかけられている。

 検察当局が発表した声明によると、今年3月に開始された捜査では収賄をはじめ、詐欺、不正管理、そして文書偽造などに焦点が当てられているが、アル・ケライフィ会長への容疑は、5大陸で運営されているbeINのトップとしての責任のみとされている。

 beINは声明で一切の不正行為を否定しているものの、パリ(Paris)支局がスイス当局の要請を受けた仏検察から強制捜索を受けたことは認めている。

 今年8月に史上最高額の移籍金でブラジル代表のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を獲得して世界のトップニュースを飾り、仏リーグの強豪として知られるPSGは、今回の捜査対象とはなっていない。

 一方、バルケ氏の弁護士はAFPに対し、同氏がスイス検察から「容疑者として」聴取されて「すべての容疑を否認した」後、12日夜に釈放されたと述べた。今回の汚職事件では、3人目の容疑者の存在が明らかにされているが、その身元については「スポーツ界の権利部門に携わる実業家」とのみ公表されている。

 スイス検察はまた、バルケ氏が「2018年、2022年、2026年、そして2030年に開催されるW杯について、特定の国への放映権販売に関連して」、この実業家から「不当な利益を受け取った」こと示す証拠の存在を明らかにすると同時に、同氏が「2026年と2030年大会の特定の国への放映権販売に関連し、ナセル・アル・ケライフィ氏と」違法な契約を交わしていた疑いがあると述べた。(c)AFP/Ben Simon