【10月12日 AFP】大統領選の再選挙が今月予定されているケニアでは11日、野党連合の候補者ライラ・オディンガ(Raila Odinga)氏が不出馬を表明したことを受け、抗議デモで複数の負傷者が出るなど先行きの見えない事態に陥っている。

 8月8日に行われたケニア大統領選では現職のウフル・ケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領が勝利したが、野党連合は集計の過程で大規模な不正があったと主張。最高裁が先月、申し立てを認めて選挙結果を無効と判断し、60日以内に選挙をやり直すよう命じていた。

 しかし、選挙管理員会の深層からの改革を求めるオディンガ氏に対し、再選挙の日までに改革を実行するのは不可能だとの見方を選管側が示したことから、オディンガ氏は今月10日、再選挙への立候補を取り止めると発表。これにより選管は2013年の最高裁判決に基づき、選挙のプロセスを候補指名からやり直さなければならないため、改革を行う時間が確保できると主張した。

 しかし、ケニヤッタ大統領は26日に再選挙を実施すべきだと主張。選挙管理委員会も11日、オディンガ氏から出馬取りやめの正式な通知を受け取っていないとして、現在も当初の候補者全員が候補者名簿に載っていると発表した。

 野党連合「国民スーパー連合(NASA)」は、来週から毎日抗議デモを行い、圧力をかけ続けるよう呼び掛けている。オディンガ氏の地盤である西部キスム(Kisumu)では、数千人が街頭で抗議デモを行い、道路を封鎖してタイヤに放火。警官隊と衝突するなどして、病院関係者や保険当局者によると数十人が負傷した。(c)AFP