【10月11日 AFP】(更新)国連(UN)は11日、ミャンマーから隣国バングラデシュへ避難したイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に対する調査を実施した上で、ロヒンギャに対するミャンマーの軍事弾圧が「組織的」なもので、ロヒンギャを同国西部ラカイン(Rakhine)州から半永久的に追放する目的で行われていると非難した。

 ミャンマーでロヒンギャの武装勢力と治安部隊の衝突が発生した8月25日以降、暴力から逃れようとバングラデシュに越境したロヒンギャの避難民たちに聞き取り調査を行った国連は、「ラカイン州北部でのロヒンギャに対する残虐な攻撃は、ロヒンギャをミャンマーから追い出すだけでなく、自国に帰還させないとの意図の下、非常に組織化され、連携を取りながら計画的に行われている」と指摘した。

 また報告書によると、ラカイン州での「掃討作戦」は、実際には8月の初めから始まっていた可能性があり、武装勢力への反撃であるというミャンマー側の主張と食い違いをみせているという。

 ロヒンギャは仏教徒が多数を占めるミャンマーで数十年にわたって迫害を受けているが、報告書は軍主導の作戦について、ロヒンギャとミャンマーとのつながりを根絶やしにすることを目的としたもの、との説明。「いくつかのケースでは、攻撃前と最中に拡声器を使って『お前たちはここの人間ではない。バングラデシュへ行け。立ち退かなければお前たちの家に火を付け、そして殺す』と通告されていた」としている。

 さらに軍事弾圧は「ロヒンギャの歴史、文化、そして情報をおとしめるための試み」で、文化や宗教、地域の指導者とともに、教師までもが標的にされていると指摘した。

 国連によると、聞き取り調査は計65回実施。個人のみならず最大40人の集団に対しても実施され、数百人から話を聞いたという。(c)AFP