【10月11日 AFP】国連(UN)は10日、バングラデシュの難民キャンプに避難している100万人近くのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の間でコレラ流行の懸念が高まっていることを受け、国連として過去最大規模の予防接種に乗り出した。

 仮設の救護所には経口ワクチンを接種するために多くのロヒンギャ難民が列を作り、その多くが小さな子どもを抱えていた。

 国連はバングラデシュ政府と協力し、点在する難民キャンプにいるロヒンギャ65万人を対象にしたコレラの予防接種を進めている。コレラは汚水を通じて感染し、治療を受けなければ死亡する場合もある。

 AFPの取材に応じた国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)の報道官は、「このような状況の時にはコレラが流行する可能性が高い」と指摘し、「ここにいる人たちはごくごく基本的なサービスを受けられずにいる。トイレ、水道衛生、すべてだ」と訴えた。

 ミャンマーでロヒンギャの武装勢力と治安部隊の衝突が発生した8月25日以降、暴力から逃れようと52万人近くのロヒンギャがバングラデシュに越境している。国連はロヒンギャをめぐるこうした状況について、「民族浄化」と言える状況だと非難している。(c)AFP/Alexandre MARCHAND/Marion THIBAUT in Myanmar