【10月12日 CNS】百万元もする嫁入り道具など、福建省(Fujian)では珍しいことではない。中国のお坊さんの間では、「ビン江(Min River)の南の娘さんを嫁にもらうことがお金持ちになる手っ取り早い方法」とまで言われている。男性側親族は婚約時に結納金を女性側に送るが、女性側親族はその結納金を返金するだけではなく、さらに高額の嫁入り道具を花嫁に持たせるのである。

 晋江市(Jinjiang)陳タイ(Chendai)を例にとると、嫁入り道具の金額の相場は低・中・高級レベルの順に30万元(約512万円)、50万元(約853万円)、100万元(約1700万円)だという。結婚式で新婦が数キログラムの黄金の貴金属を全身にまとう姿は、「黄金の花嫁」とまで呼ばれている。

 実際に行われた当地の富豪家庭の結婚式では、福建万里グループ(Fujian Wanli Group)の社長令嬢の場合、嫁入り道具の金額は「数億円+8日続けての宴席」、福建百宏グループ(Jinjiang Baihong Group)の社長の娘が嫁いだ際は、1億元の現金(約17億円)と1億元の株券、長楽市(Changle)の富豪社長は2億1000万相当の嫁入り道具を準備し、式に参加した来賓に1000元(約1万7000円)ずつ配ったという。

 こうした地元の富豪による豪華結婚式の背景には、福建省の独特な婚姻習慣だけでなく、活発で積極的な地元民間企業の貢献もある。2016年の統計によると、福建省の民間企業の総量は同省のGDPのうち67.3%を占めており、全就業者の85%をカバーしている。

 また、福建省では15人に1人が自分の会社を所有しているか、自営業者である。特に注目すべきは晋江市で、一地方都市ではあるが、50社近い民間企業が国内外で上場しており、その数は中国の地方都市としては間違いなく1位だ。2017年のフォーブス(Forbes)世界長者番付にも6人、晋江の企業家が名を連ねている。また、安踏(ANTA)、特歩(XTEP)、匹克(Peak)、361°(361度国際)といった中国の大手スポーツメーカーが福建省に製造拠点を置いている。「晋江モデル」は福建の民間企業の代表とも言えるだろう。(c)CNS/JCM/AFPBB News