【10月14日 CNS】近ごろ、北京(Beijing)にある「柳葉刀(Liuyedao)」という名の焼肉店が話題になっている。何でも、医師2人が起業したのだという。王建(Wang Jian)さんと程絲(Cheng Si)さんで、それぞれ中国の名門大学として世界的に知られる北京大学(Peking University)と清華大学(Tsinghua University)の卒業生だ。

「柳葉刀」(訳:外科用メス)は、英語では「ランセット」。世界的に有名な医学雑誌の名前でもある。だが、北京の医師たちがこれを聞いて真っ先に思い浮かぶのが、この「一風変わった」焼肉店だ。

 どこが「一風変わって」いるのだろうか。焼肉店で昨日見かけた店員が、今日は病院で白衣を着ている姿に出くわすかもしれないからだ。創業者の王さんによると、この焼肉店を開店しようと思いたった理由の一つは、「地溝油」と呼ばれる下水溝からすくって再利用される油の存在だった。

 1年前の明け方、図書館から宿舎へ戻ろうとしていた王さんは、下水溝で油をすくっている人を見かけた。違法行為に憤りを感じ、すぐに警察に通報した。しかし翌日、相変わらず下水をすくっている人を見たのだという。医師である王さんは地溝油がいかに人体に悪影響を及ぼすかを知っているだけでなく、美食家である王さんの心も深く傷ついたのだという。

 こうして王さんは、違法行為を働くような飲食店を閉店に追い込むべく、安全な油を使用した飲食店を開店しようと誓った。

 王さんはすぐに計画を完成させた。しかし、実行に移すためには、行動力のある程さんに仲間に入ってもらうことが欠かせなかった。

「毎日こんなに仕事が忙しいのに、さらに焼肉店を開くなんて正気なのか」。程さんは初めは聞く耳を持たなかったが、王さんは辛抱強く程さんを説得し、医師の仕事の合間にプロジェクトをさらに練った。飲食業界の素人だった王さんだが、「この半年で半人前ぐらいにはなったのではないか」という。

 さらに仲間を何人かを迎え入れ、王さんの故郷である徐州(Xuzhou)焼肉の専門店を北京で開店するに至った。