【10月11日 AFP】米環境保護局(EPA)のスコット・プルイット(Scott Pruitt)長官は10日、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が気候変動対策で導入した「クリーン・パワー・プラン(CPP)」の撤廃に向けた文書に署名した。CPPの撤廃はドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が大統領選で公約として掲げていた。

 EPAは声明で「CPPを再検討した結果を受けて、EPAはオバマ前政権時代に導入された規制がEPAの法的権限を超えていると判断するよう提案した」と述べた。また「CPPの撤廃は、米国のエネルギー資源の開発を促し、これらの資源開発に関連する不必要な規制の負担を軽減させる」と強調している。

 CPP撤廃の法的効力が生じる前に、政策に関する意見の募集(パブリックコメント)が60日間行われる。

 オバマ前大統領が導入したCPPは、米国内の発電所に対して初めて二酸化炭素(CO2)の排出量削減を迫ったもので、2030年までに2005年比で32%減らすことを目標にしていた。そのため排出量の多い老朽化した石炭火力発電所の閉鎖につながっていた。

 トランプ大統領は3月、発電所からの排出量削減を強化したCPPが連邦政府の権限を越えていないかEPAに検討を命じる大統領令を出していた。CPPをめぐっては共和党が多数を占める複数の州が裁判を起こし、米最高裁は昨年2月、CPPが合法だと判断されるまで一時的にその施行を停止するよう命じる判決を出していた。(c)AFP