【10月10日 AFP】中央アジア・トルクメニスタンのグルバングルイ・ベルドイムハメドフ(Gurbanguly Berdymukhamedov)大統領(60)は10日、これまで一定量まで無料だったガス・電気・水道をはじめとする公共料金の支払いを、国民に義務付ける法律に署名した。同国は主要輸出品の天然ガスの価格下落に伴い、経済面で苦境に陥っている。

 トルクメニスタンの国民は政府からの補助金により、これまで毎月35キロワット時の電気と50立方メートルのガス、さらに毎日250リットルの水を無料で使用することができた。

 しかし強権支配を続けるベルドイムハメドフ大統領は、同氏に絶対的な忠誠を誓っていることで知られる諮問機関の国家長老会議(Council of Elders)に対し、「ガス、水道、電気、住宅・公共サービス、運輸・通信費の支払いを命じる法律に署名する」と宣言。さらに「政府と新たな料金請求案の導入を協議し、段階的に実施していく」と述べた。

 エネルギー資源が豊富な同国ではソ連から独立した直後の1993年、サパルムラト・ニヤゾフ(Saparmurat Niyazov)前大統領によって、水道・電気・ガスの無料化が実施された。

 トルクメニスタンは天然ガスの埋蔵量で世界第4位を誇り、産出する天然ガスの大半を中国に輸出している。しかし2014年以降、エネルギー価格が下落していることに加え、ロシアがトルクメニスタンからの天然ガス購入停止を決定したことから、経済面で苦境に陥っている。(c)AFP