【10月10日 AFP】ロシア法務省は10日、同国内で活動する米メディアに対し、新たにNGO規制の適用対象となる可能性を予告する書簡を送付した。これに先立ち米国では先月、司法省がロシア政府系の外国語ニュースチャンネルRTに「外国エージェント(foreign agents)登録」を行うよう求め、RTは米政府による迫害だと非難していた。

 ロシアのインタファクス(Interfax)通信はロシア法務省の声明として「ロシア国内で運営する多数の米メディア」に対し「ロシアの法律に違反すれば容認しない」と警告する書簡を送ったと伝えた。書簡は「在米ロシアメディアが受けた迫害への報復」だとしている。

 米議会が出資するラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー(RFE/RL)も、ロシア法務省からの書簡を受け取ったことを報じている。2012年に成立した新法によりロシア国内の外国NGOには「外国エージェント」登録が義務付けられたが、RFE/RLの活動も対象になる可能性があると警告する内容だったという。

 この新法は、国外から資金提供を受け政治的な活動を伴う団体を強制的に「外国のエージェント」と名乗らせるものだが、これまで報道機関に適用された例はない。

 国営ロシア通信(RIA)の報道によると、政府関係者も書簡の存在を認めたうえで、書簡は在ロシアの米国メディアに今後の法改正でエージェント登録対象となるNGOが拡大すると知らせるものだと語っているという。書簡の送付先は、米国営ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(Voice of America)や、ロシアが併合したクリミア(Crimea)半島の報道サイトを開設していたRFE/RLなど。

 この政府関係者によれば、この措置が適用されるのは米国メディアのみで、米国でRTが「外国エージェント」に分類されることを受けた「例外的な措置」だという。(c)AFP