【10月10日 AFP】インド西部マハラシュトラ(Maharashtra)州で、農薬を散布していた農民らが有害物質を吸い込んで、これまでに20人が死亡、多数が病院で治療を受けていると州政府関係者が9日、明らかにした。マハラシュトラはインド有数の農業地帯だが、農民たちは防護マスクを着用していなかったという。

 農薬散布による死傷者が出ているのはマハラシュトラ州のヤバトマル(Yavatmal)県。州政府の農業支援担当者はAFPの取材に「20人が死亡、多数が治療を受けていて、このうち50人は視力に障害が出ており重傷だ」と語った。

 この担当者によると、犠牲者らはマスクや手袋、長靴も着用していなかった。また多くの被害者が目のかすみや激しい頭痛を訴えているという。

 地元紙は、最初の死者が報告されたのは8月で、9月以降も死者数は増え続けていたと伝えている。

 活動家らは、原因は農薬規制の欠如や貧しい農民たちへの適切な安全装備の配給を怠ったことにあると非難している。

 事態を受け、ムンバイ(Mumbai)の高等裁判所は先週、マハラシュトラ州政府に対し被害地域での農薬販売を禁止するよう命じた。