■密接な関係性

 約3万5000年前に地球上から姿を消したネアンデルタール人を何が絶滅に追い込んだかは分かっていないが、彼らが3000人前後の比較的少人数の集団で暮らしていたことは知られていた。

 論文の主執筆者で、独マックス・プランク進化人類学研究所(Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology)のカイ・プリュファー(Kay Pruefer)氏によると、今回の研究で同氏が最も驚いたのは、アルタイとクロアチアの2つの上質な化石標本の間に、地理的にも時間的にも大きな隔たりがあるにもかかわらず、密接な関係性が認められることを発見したことだという。

 プリュファー氏は、AFPの取材に「これは、ネアンデルタール人の人口規模が小さかったに違いないことを示している」と語った。

■DNAに関する洞察

 クロアチアのネアンデルタール人のゲノムは、それより古いアルタイのゲノムに比べて人類のものにより近づいており、「現生人類に影響を与えているネアンデルタール人ゲノムの新たな遺伝子変異」を含んでいると、論文は指摘している。

 論文によると、これらの変異には、悪玉コレステロール(LDL)やビタミンDの血漿中濃度、摂食障害、脂肪蓄積、関節リウマチ、統合失調症、抗精神病薬への応答性などに関連する変異が含まれているという。

 さらに、祖先が混血をしなかったアフリカ人以外の現生人類に受け継がれているネアンデルタール人DNAの割合が、これまで考えられていたよりわずかに高いことが今回の研究で判明した。

 研究チームによると、非アフリカ系現人類の大半が持っているネアンデルタールDNAの割合は全体の1.8~2.6%で、過去の推算値の1.5~2.1%よりもわずかに高いという。

「東アジアの人々が持つネアンデルタールDNAの割合は2.3~2.6%で、ユーラシア大陸西部の人々の1.8~2.4%に比べて若干多い」と論文は述べている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN