【10月6日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)は5日、クラブの主将を務めるアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)とともに、同国北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立をめぐる政治危機について、対話による解決を呼び掛けた。

 33歳のイニエスタは自身のフェイスブック(Facebook)にメッセージを投稿し、「自分はこれまで、複雑でさまざまな人の思いが交錯する問題に関して公にコメントしたことはなかったが、われわれが直面している今回の状況は例外だ。一つ確実なことは、これ以上被害が出る前に、この問題の責任者は話し合いの場を設ける必要があるということだ。国民全員のために、そうしてほしい。われわれには平和に暮らす権利がある」と訴えた。

 2010年に開催されたW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)のオランダとの決勝で、延長戦に劇的な決勝ゴールを決めてスペインを1-0の勝利に導き、母国の英雄となったイニエスタは、同国中部のカスティーリャ・ラ・マンチャ(Castilla-La Mancha)州出身であるものの、12歳のときにバルセロナに加入した。

 1日に実施された住民投票でスペイン政府が違憲とする独立への動きが本格化して以降、カタルーニャと首都マドリード(Madrid)の間には緊張が高まっており、警察の厳しい取り締まりに発展。中央政府が議論の調停を拒否している一方で、カタルーニャ自治政府の指導者は数日中にも独立宣言を行うとする強硬姿勢を示している。

 世界屈指の強豪チームでカタルーニャの独自性を表す強いシンボルとなっているバルセロナは、クラブの声明で「対話と尊重」を呼び掛け、「この国で最も有名な存在であるFCバルセロナは、対話と交渉のプロセスを立ち上げてカタルーニャが直面している状況の政治的解決を模索することを要請する」と述べた。(c)AFP