【10月5日 AFP】アルペンスキーW杯の滑降で8度の種目別優勝を誇るリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)が、長らく熱望している男子選手とのレースについて、国際スキー連盟(FIS)は来年5月に再検討を行うことになった。米国スキー&スノーボード協会(USSA)はボンと男子選手の対決は、競技を広めるためのショーケースを作り出す絶好の機会と見なしている。

 2012年にFISは、男子選手と得意のカナダ・レイクルイーズ(Lake Louise)のコースでレースをしたいというボンの要求を拒否。当時FISは、「性別の違う選手がもう一方の性別のレースに参加する権利はない」と声明を発表している。

 今月33歳の誕生日を迎えるボンはその後、度重なるクラッシュや負傷、手術などに直面し、その強い願望はお預け状態となっていた。

 しかし、キャリアの終わりが刻一刻と迫る中、今年2月にスイス・サンモリッツ(St. Moritz)で行われたアルペンスキー世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships 2017)で通算最多となる7個目のメダルを獲得したことで、その思いに再び火がついた。

 FISの広報担当はAFPに対し「USSAは、2018年11月にレイクルイーズでリンゼイ・ボンが男子のレースに出場する許可を求める提案を行った。この提案は、2018年5月に行われる次回会合までFISアルペン執行委員会によって留保され、シーズンが終了した時点で再検討される予定だ」とコメントしている。

 USSAのパトリック・リムル(Patrick Riml)アルペン部門理事は、「ボンにチャンスを与え、競技を広めるための紹介の場をつくり出す計画について、FISと連携する第一歩としては結果に満足している。(FISの)理事の中にはこの提案を支援する声もあるが、FISとともにはっきりとさせなければならない点も多くある」としている。(c)AFP