【10月5日 AFP】2020年東京五輪の組織委員会は4日、夏の長雨の影響により、トライアスロンやオープンウオータースイミングの会場で一時的に基準値を超える菌が検出されたと発表した。

 開幕まで約1000日となり、大会の準備状況を評価するために国際オリンピック委員会(IOC)の職員が訪日している中、競技会場の水質問題が明らかとなった。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の室伏広治(Koji Murofushi)理事は、7月下旬から9月上旬にかけてお台場海浜公園(Odaiba Marine Park)で水質検査が行われ、多くのサンプルが汚染レベルの上昇を示したことを認めた。

「検査の時期と降雨量の影響が色濃く出た」と話した室伏氏は、東京で期間内に21日間連続で降雨があった影響で、地上の汚染物質が海に流入したと明かした。

 組織委員会は、水中スクリーンの設置や汚水処理場の増強を含めたインフラの整備により、水質を国際基準値内とすることができるとしている。また、同会場では定期的にトライアスロンや水泳のイベントが開催されており、その際の値は国際基準を満たしていたとも強調している。

 室伏氏は「競技にとって最高の環境を提供するために方策を講じる」と話し、会場変更の可能性を排除した。

 一方、IOCのジョン・コーツ(John Coates)副会長は、最悪の天候状況を想定して準備を進めなければならないと警告している。

 コーツ副会長は、「最悪の天候状況であっても対処できること、アスリートの健康を害することがないことを保証する」ために都が動くことを期待していると話した。

 また、コーツ副会長は、選手村のサービス縮小を含め予算を再検討することにより、大会経費を現在の120億ドル(約1兆3500万円)から10億ドル(約1127億円)削減するよう求めた。(c)AFP