【10月5日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州のカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)州首相は4日のテレビ演説で、同州の独立を目指す動きを中止するよう呼び掛けた国王フェリペ6世(King Felipe VI)は「数百万人のカタルーニャ人を意図的に無視した」と批判した。

 カタルーニャ自治州では1日、中央政府が違法と主張していた独立をめぐる住民投票が強行され、圧倒的多数が賛成票を投じた。この結果を受け、州政府は独立宣言の準備を推し進めており、地元政府筋によると9日にも独立が宣言される可能性がある。

 中央政府とカタルーニャ自治州の対立は、スペインで過去数十年起きた中で最も深刻な政治危機へと発展。1日の住民投票では、武器を持たないカタルーニャ人たちをスペイン警察が殴打する様子が報じられ、国際社会から懸念の声が上がった。

 だがカタルーニャ自治州の指導者らはスペインから分離する動きを推し進め、中央政府の怒りを買っており、今後さらなる動乱が起きる恐れが高まっている。

 フェリペ6世は3日のテレビ演説で、カタルーニャ独立の動きは違法かつ非民主的であるとして、中央政府の立場を支持。カタルーニャの指導者らの「無責任な行為により、カタルーニャ、ひいてはスペイン全域の経済的・社会的安定が危険にさらされた」と非難した。

 これに対しプチデモン州首相は「国王は、カタルーニャに損害を与えてきた(中央)政府の立場と方針を受け入れた。彼は数百万人のカタルーニャ人を意図的に無視した」と批判した。

 独立派議員らは4日の州議会での会合後、住民投票の最終結果を討議するため9日の議会開催を要請。匿名を条件にAFPの取材に応じた州政府筋によると、「議会の進捗状況次第では独立が宣言される可能性もある」という。(c)AFP