【10月4日 AFP】イタリアの首都ローマ(Rome)にある観光名所コロッセオ(Colosseum)の最上階が11月1日、40年ぶりに一般公開される。同国のダリオ・フランチェスキー二(Dario Franceschini)文化相が3日、明らかにした。

 同円形競技場の5階の座席はかつて、古代ローマ社会の下層に当たる平民などの専用席だった。とはいえ、ここからは、はるか下方で繰り広げられる剣闘士の試合だけでなくローマ帝国の中心地まで、息をのむような景観を一望することができた。

 フランチェスキー二文化相は3日のメディア向け発表で、「コロッセオとローマの景観が見事です。ここを訪れた皆さんの記憶には、人生で目にした最も見事な景色の一つとして残るでしょう」と述べた。

 5階席のはるか下方では、コロッセオ内部の迷路のような通路をのぞき込む観光客が小さな点のようにしか見えず、当時の平民たちの観覧場所がおびえた囚人たちと猛獣との闘いが繰り広げられるアリーナからいかに遠く離れていたかが分かる。

 木のベンチで押し合いながら観覧した平民たちは、ここまではるばると上ってこなければならなかったが、入場は無料だった。現代の観光客はガイド付きツアーを予約する必要がある。

 西暦80年に完成した高さ48.5メートルのコロッセオは、ローマ帝国時代最大の円形競技場で、8万人を収容し、古代ローマの残虐性を併せ持つ享楽主義と土木工学の特徴を体現していた。昨年7月には、構造を強化して壁に付いた数世紀分の汚れを洗い流すなどの改修工事の第1段階が完了していた。(c)AFP