【10月6日 CNS】インターネット技術の発展に伴い、ハッカーによる攻撃問題もますます深刻化してきており、見えない敵による攻撃が大きな経済的損失を招く。中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)公安局は2017年1月から、ハッカーの違法犯罪対策部門を設けた。

 杭州市濱江区(Binjiang)警察は今年3月、同区のIPアドレスが国内のインターネットサイトで違法にスキャニングを行っていることを突き止めた。データは数十万に上った。

 調査により、このIPアドレスが濱江区のマンションの1室のものであることがわかった。警察が捜査したところ、アジトとみられるこの一室には大量のパソコンが置かれ、床はケーブルやルーターなどの設備で足の踏み場もないほどだった。濱江区警察は3月末、アジトに踏み込み、容疑者3人を逮捕した。

 これと前後して、黒龍江省(Heilongjiang)、河南省(Henan)などでさらに3人を逮捕。このハッカー集団は、違法に取得したゲームのユーザーアカウント情報を販売して不当に利益を得ていた。また家庭用のパソコンやウェブサーバーなどを含むコンピューター情報システムを違法に取得し、ハッカー攻撃の準備をしていたとみられる。アジトに置いてあったパソコンなどを詳細に調査した結果、すべてのパソコン内に、ハッカー行為に使用する専門ツールが見つかった。捜査の結果、このハッカー集団が侵入しようとしている、もしくはすでに違法に制御したウェブサイトは世界各地に大量に存在することがわかった。

 8月中旬には、別のハッカー集団の容疑者6人も濱江区公安分局のネット警察部門に逮捕された。違法にコンピューターシステム内に侵入し、アカウント情報などを取得するなどした疑い。

 こうしたハッカーたちはすべて「90後」と言われる若者で、まだ大学に在学中の者もいたという。

 杭州公安ネット警察部門は、これまでにハッカーが関係している事案を29件、23のハッカー集団の容疑者235人を摘発している。(c)CNS/JCM/AFPBB News