【10月2日 AFP】バングラデシュ外相は2日、ここ数週間に隣国ミャンマーから多数避難してきたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)について、ミャンマーの高官から数十万人規模のロヒンギャを帰還させるとの提案を受けたと明かした。

 アブル・ハサン・マハムード・アリ(Abul Hassan Mahmood Ali)外相は同日、ミャンマーの事実上の指導者であるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問の代理として赴いたこの高官と会談。その後記者団に対し、「会見は和やかな雰囲気で行われ、ミャンマー側からロヒンギャ難民を帰還させるとの提案があった」と述べた。

 また、アリ外相はこの高官と「帰還に向けたプロセスを調整するため、両国は共同作業部会を設置するとの提案に合意した」と明かしたが、詳細については触れなかった。

 ロヒンギャに対する軍隊を用いた取り締まりを止めていないとして、スー・チー氏は厳しい非難を浴びているが、先月「(身元などが)確認された」ロヒンギャ難民の帰還を受け入れると表明。スー・チー氏によると、本国帰還は1993年にミャンマーおよびバングラデシュ両国の間で交わされた合意に基づいて行われるという。同年にはロヒンギャ数万人がミャンマーに帰還している。

 アリ外相によると、ロヒンギャ難民の身元確認は共同作業部会が行い、一連の作業に国連(UN)は関与しないという。アリ氏はロヒンギャ帰還に向けた具体的なスケジュールは示さなかった。(c)AFP