【10月2日 AFP】17-18スペイン1部リーグは1日、第7節の試合が行われ、FCバルセロナ(FC Barcelona)は3-0でラス・パルマス(UD Las Palmas)に勝利。カタルーニャ(Catalonia)独立の是非を問う住民投票の当日に行われた試合は、クラブの延期要請をリーグが却下したことを受けて、無観客で行われた。ジェラール・ピケ(Gerard Pique)は試合後、涙を流しながら「プロとして人生最悪の経験だった」と話した。

 この日の州内は緊張した雰囲気に包まれ、スペイン政府が投票を違法とみなす中、警察の機動隊がゴム弾を発射し、独立賛成派が占拠する投票所に突入したことで多数の負傷者が出た。バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)会長は、安全面を考慮したというよりは警察と市民の衝突に抗議する意味で、収容人数9万9000人のカンプ・ノウ(Camp Nou)での試合を無観客で開催することを決断した。

 クラブは「本日カタルーニャの各所で起こっている、表現の自由という市民の民主主義的な権利を阻害する出来事を非難する」と声明を発表。あわせて会長が「今起こっていることへのわれわれの抗議の意思がすべての人に伝わるよう、無観客とすることを決めた」と話した。

 スタジアムの外では、多くのファンが長蛇の列をつくって何時間も待っていたが、最終的にキックオフの30分前に無観客の決断が下された。広報によればチケットはすべて払い戻されるという。また試合では、忍び込んでいたファンがバルセロナの2得点目の直後にピッチに乱入する場面もあったが、すぐにスタッフによって連れ出された。

 バルセロナはもともと試合の延期を求めていたが、リーグ側はこれを却下し、声明で「試合を中止する動機はどこにもない。ラ・リーガは試合の中止と別日程での開催を却下する。延期すれば、当該チームは勝ち点6を失うことになる」とコメントすると、1日に試合を行わなければラス・パルマス戦を試合放棄とみなした上、バルセロナに勝ち点3はく奪の処分を下す可能性を示唆していた。

 カタルーニャ出身のセルジオ・ブスケッツ(Sergio Busquets)は、beINスポーツ(beIN Sports Spain)で「異様だった。まったく好きになれない。状況は把握していた。クラブも(試合放棄を)検討はしたけれど、スポーツ面で代償が大きいと判断したんだと思う」と話した。

 スペインメディアの報道によると、試合を開催するというクラブの決断を受けて、カルレス・ヴィラルビー(Carles Vilarrubi)副会長が辞任したという。一部のファンも、試合が延期にならなかった場合はピッチへ平和的に進入し、投票所での衝突に抗議の意を示すと警告していた。