【9月29日 AFP】(更新、写真追加)国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は28日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が大量に隣国バングラデシュに避難している状況について、「人道と人権における悪夢」と訴えるとともに、ミャンマー指導部に事態の収拾を強く求めた。難民が50万人以上に上っている他、ロヒンギャを乗せたボートが転覆し、少なくとも19人が死亡する事故も発生している。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は同日、ロヒンギャ問題について公開会合を行った。国連安保理がミャンマーに関する会合を行うのは極めてまれ。

 ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州では先月以降、ロヒンギャの武装集団と政府の治安部隊との衝突の影響により、ロヒンギャ50万人以上がバングラデシュへと避難。グテレス氏はミャンマー政府に軍事行動を停止し、衝突により荒廃した地域への人道支援を受け入れるよう求めた。

 また、軍事行動について「組織的な暴力」と批判。ラカイン州の中部をも不安定な状況に置き、さらに25万人のロヒンギャが家を追われる恐れがあると指摘した。

 米国のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)国連大使は「ビルマ(ミャンマー)当局による行動は残忍で、少数民族を浄化するためのキャンペーンを続けているようだと言うことを恐れてはならない」と述べ、「少数民族の浄化」という言葉を使いながら批判。また「ビルマの幹部指導者らは恥を知るべきだ」と述べ、ミャンマーの事実上の指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問を暗に非難した。(c)AFP/Sam Jahan with Philippe Rater at the United Nations