【9月28日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の選手たちが、国歌演奏の際の抗議を続けている件をめぐって、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が今度は陸上短距離の王者ウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏を味方に引き込もうとしている。この行動にジャマイカのスポーツファンの一団は反発している。

 トランプ大統領は26日夜、ツイッター(Twitter)に「史上最も偉大なランナーにしてアスリートの一人であるジャマイカのウサイン・ボルトも、われわれの国歌に敬意を示している」と投稿。インタビュアーを遮って米国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」に耳を傾ける世界最速の男の2012年の動画を添付した。

 これに対してスポーツファンは猛反発。ジャマイカ人スポーツ選手の情報などを紹介するウェブサイト「チームジャマイカ(Team Jamaica)」はツイッターに「頼むからボス(ボルト)を政治的駆け引きに巻き込まないでください」と書き込んだ。

 大統領はこのつぶやきをはじめとして、国歌を使って集団抗議を試みるNFL選手への攻撃を続けている。人種差別への関心を高めるため、国歌演奏の際の起立を拒否しているNFLの選手たちを大統領は激しく非難したが、今度はそれをきっかけに、かつてない抗議の波がリーグ全体に広がった。

 その中で、グリーンベイ・パッカーズ(Green Bay Packers)のアーロン・ロジャース(Aaron Rodgers)は26日、団結の意思を示すため、国歌演奏の際に選手同士で腕を組むパフォーマンスを続けると明言。「つながり合い、ともに成長していけるところを示す」ため、ファンにも同じ行動を取ってほしいと呼びかけている。(c)AFP