【9月28日 AFP】北朝鮮を旅行中に拘束され、釈放後に米国で死亡した米国人学生オットー・ワームビア(Otto Warmbier)氏(当時22)について、司法解剖を行ったオハイオ(Ohio)州の監察医は27日、同氏が拷問を受けた明らかな痕跡は見つからなかったと発表した。両親とドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、ワームビア氏が北朝鮮で拷問を受けていたと主張していた。

 司法解剖を行った監察医のラクシュミ・サンマルコ(Lakshmi Sammarco)氏によると、ワームビア氏の脳は酸素供給が不足したことで障害を負っていた。

 一方で、ワームビア氏には身体的拷問が行われたことを示す明確な痕跡は一切なく、骨折や歯の損傷もみられなかったと述べた。

 サンマルコ氏は「彼の身に何が起きたのかは分からない。それが結論だ」「現場にいた人間が名乗り出て『これがオットー(・ワームビア氏)の身に起きたことだ』と言わない限り、われわれに知る術はない」と述べた。

 この発表の前日、両親とトランプ大統領は、北朝鮮を旅行中に拘束され15年の労働教化刑を言い渡されたワームビア氏を拷問したとして北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)政権を非難していた。

 ワームビア氏の両親は26日、一連のテレビのインタビューで、息子には歯が「詰め直されたり」、手足が損傷したりしたような痕跡があったと述べていた。(c)AFP