【9月28日 AFP】米政府は27日、米国が2018年度(2017年10月~2018年9月)に受け入れる難民の上限を4万5000人に引き下げると明らかにした。2016年度に比べると半分強の数となる。人権団体からは深刻な難民問題への対応でドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が責任を放棄していると批判する声が上がっている。

 米国はバラク・オバマ(Barack Obama)前政権時代の2016年度、世界各国から8万4995人の難民を受け入れたが、2017年度は現行のベースでいけば約5万人となる見通し。

 米国の難民受け入れ数は今でも世界最多だが、1980年の20万人余りに比べると大幅に減っている。

 トランプ大統領は難民の再定住に対する反感を隠さず、難民の新規受け入れ停止や身元調査の厳格化などを命じている。

 米高官は記者団に「米国民の安全が第一だ」と述べた。当局は来月までに、米国への新たな渡航者の身元審査などに関する保安手続きの見直しを完了させるとしている。

 ニューヨークの人権団体アーバンジャスティスセンター(UJC)は今回の発表について、世界が第2次世界大戦(World War II)以後で最多の難民に対処している時期に、米国が人道問題でのリーダーシップを放棄するものだと厳しく批判。「最も差し迫った難民のケースでは再定住が唯一の選択肢だ」と訴えている。(c)AFP