【9月28日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で27日、米軍が武装勢力に対して行った空爆で1発のミサイルが「誤作動」し、「複数の犠牲者」が出た。北大西洋条約機構(NATO)が発表した。注目を集めていたジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官とNATOのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長の訪問に影を落とす形となった。

 カブールの国際空港にマティス長官が到着してから数時間後、武装勢力によって空港近くに複数のロケット弾が一斉に撃ち込まれた。米軍による空爆は、この武装勢力と対抗していたアフガニスタン治安部隊を支援するために行われたものだった。

 アフガニスタンの内務省によると、ロケット弾による攻撃で1人が死亡、11人が負傷した。旧支配勢力タリバン(Taliban)と、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がホラサン(Khorasan)州と呼ぶ地域のIS勢力が犯行声明を出している。

 アフガニスタンで「確固たる支援任務(RSM)」を行っているNATOは声明で「1発のミサイルが悲劇的にも誤作動し、複数の犠牲者が出た」と発表。「非戦闘員への被害を心から遺憾に思っている」とし、攻撃と欠陥のあった砲弾について調査中だとも述べた。

 米軍の空爆で犠牲者が出たことにより、マティス長官の訪問に水を差す形となった。米軍に対する怒りがさらに増幅しかねない状況となっている。(c)AFP/Thomas WATKINS