【9月28日 AFP】米ツイッター(Twitter)が開始した投稿文字数制限を280文字に拡大する試験は、新規ユーザーの獲得を狙ったものだが、一部のユーザーからは、ツイッターならではの魅力が失われる恐れがあると懸念する声が上がっている。

 ツイッターは現在、ジャーナリストや政治家に人気だが、より広範なユーザー層の獲得には苦戦しており、文字数制限の拡大は、趣向を凝らした投稿を140文字以内に収めるのは難しいという不満を解消し、より多くのユーザーを引き付けることが目的とされている。ただし日本語と中国語、韓国語については、現行の文字数上限で十分であるとの理由で現状を維持する予定だ。

 文字数制限の変更が広範囲に実施されれば、ツイッターの性質は大幅に変わる可能性もある。ユーザーの一部からは、とりとめのない長文投稿を許してしまえば、ツイッターはもはやツイッターではなくなるという声も上がっている。

 ジャックドー・リサーチ(Jackdaw Research)のジャン・ドーソン(Jan Dawson)氏はブログ投稿で、「140文字の制限は決定的な特徴だ。簡潔さが強いられ、ツイートの流れをとても消化しやすくしている」と指摘する。

 この変更によって、より詳細で複雑なメッセージの発信が可能になるとする好意的な見方もあるが、これまでもツイッターの仕様変更に懐疑的だったユーザーの多くは文字数制限拡大を批判するコメントを投稿している。

■トランプ氏アカウントは「対象外」

 そうしたコメントには、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に関するものも多くみられた。トランプ氏は、政策発表や、さまざまな話題に関する即興の情報発信にツイッターを利用している。

 あるユーザーは「くだらないツイートをする口実を、ドナルド・トランプにこれ以上与えるな」と投稿。別のユーザーはトランプ氏の言葉遣いをまね、「この新しいツイッターの280文字というやつはヒュージ(巨大)だ。特にトランプにとっては。彼はこれで、もっとばかなことを、さらにビッグリー(大きく)にしゃべることができる」と書き込んだ。

 ツイッター共同創業者のビズ・ストーン(Biz Stone)氏はこうしたユーザーの声を受け、「彼(トランプ氏)は試験グループには入らない」とツイートした。

 IT市場調査会社エンドポイント・テクノロジーズ・アソシエーツ(Endpoint Technologies Associates)のロジャー・ケイ(Roger Kay)氏は、文字数制限の拡大でツイッターの業績見通しが変わる可能性はほぼないと語る。

「ツイッターはユーザーを増やす必要があるが、ユーザーを増やすにはプラットフォームをもっと使いやすくする必要がある」とケイ氏。ツイッターは使いこなせるようになるまでに時間がかかり、フェイスブック(Facebook)のような競合サービスと比べて利用しにくいと指摘している。

「ツイッター愛好家でない人がツイッターを開けたら、滝のように見えるだろう。初心者にはあまり親切ではない」 (c)AFP