【11月5日 AFP】ハイテクで洗練された大学のキャンパスや豪華マンションが立ち並ぶ「中国のシリコンバレー」に囲まれた中国の首都・北京(Beijing)中関村(Zhongguancun)の路地に足を踏み入れると、住民たちが戸外の共用スペースで料理を作ったり、トランプに興じたり、または道端でシャワーを浴びたりするなど、まるで村落のような光景が広がる。開発がまだそれほど及んでいない国内南西部の地域から移ってきた人々は、この中関村で約20年間、その日暮らしを続けてきた。

 だが、住民たちがこうした生活を続けられるのも残りわずか。市内全域に及ぶ「美化運動」のため、老朽化したワンルームの住宅がひしめく路地は近々、更地にされる。中国当局はここ何か月か、北京の都市計画法に抵触していると判断した多数の店舗や住宅の周囲を封鎖し、取り壊しを進めてきた。政府は2020年までに北京の再開発を終え、市内の人口を2300万人に抑制する計画を明らかにしている。

 中関村にはパソコン大手のレノボ(Lenovo)やネット検索大手の百度(Baidu)、ポータルサイト企業のテンセント(Tencent)や捜狐(Sohu)などの本社もあり、こうした企業は地方出身の社員らが北京市内に住めるよう法的権利を取得する援助を行っている。(c)AFP/Nicolas Asfouri