【9月25日 AFP】白と金のスポンサーロゴに囲まれた見慣れない黒のコート――。目が慣れるまでには少々時間がかかるかもしれないが、ひとたびなじめば、その画は感動的にも見えてくる。

 米国選抜と欧州選抜による男子ゴルフの対抗戦ライダーカップ(Ryder Cup)のように、欧州チーム対ワールドチームという形式をとるレーバー・カップにとって、この黒のコートは大会の目玉の一つとなっており、観戦に訪れたポーランド出身のテニスファン、アニエスカ・ヴィットマン(Agnieszka Widmann)さんも「非常にエレガントだと思う」と絶賛する。

 今大会ではラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)、マリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)、ドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)、トマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)が欧州チームに所属。

 対するワールドチームは、サム・クエリー(Sam Querrey、米国)、ジョン・イズナー(John Isner、米国)、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)、ジャック・ソック(Jack Sock、米国)、デニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov、カナダ)、そしてフランシス・ティアフォー(Frances Tiafoe、米国)が名を連ねた。

 チェコ出身の元選手、ボーダン・ウリラッハ(Bohdan Ulihrach)氏が「すてきで美しいし、よく設計された素晴らしいアイデア」と言えば、大会が開催された同国の首都プラハ(Prague)在住のヴィットマンさんも「素晴らしいと思う。一般的な四大大会(グランドスラム)やATP大会とは違って斬新」と口をそろえた。

 レーバー・カップでは金銭面にも注目が集まる。ヴィットマンさんは会場のO2アリーナ(O2 Arena)で12ユーロ(約1600円)のシャンパンを楽しんだというが、3日間の通し券の値段は最高で2200ドル(約25万円)に設定されており、これはチェコの平均月収の2倍の金額となっている。

 また、週末に開催されるレーバー・カップは、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)と引き合いに出されるが、フェデラーが「まったく別物だから、あまり二つを比べたくない。こっちは3日間にびっしりと凝縮されて、それで終わりだが、デビスカップは1年をかけて4回行われる」と話すなど、選手の間では異なるものとの見解が占める。