【9月25日 AFP】24日に投開票されたドイツ連邦議会(下院)選挙で、移民排斥を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が数十議席を獲得した。極右政党の議席獲得は第2次世界大戦(World War II)以来。「ナチス政党」の前進を食い止めようと主流政党の議員らが呼び掛けたにもかかわらず、タブーが打ち破られる結果となった。

 出口調査によると、AfDの得票率は約13%で、第3党となることが確実な情勢。わずか4年前に結党されたばかりの政党としては驚くべき快進撃だ。AfDは公約の最優先課題として、2015年以降100万人以上の亡命希望者を受け入れてきたアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の決定について、議会で調査を行うとしている。

 すでに16州中13の州議会で議席を持つAfDはこれで連邦議会の野党席にも議員数十人を送り込むこととなり、国会で同党独自の見解を広める機会を手に入れる。AfDは、第2次世界大戦やユダヤ人約600万人などが虐殺されたホロコースト(Holocaust)に対するドイツの贖罪(しょくざい)文化に異議を唱えるなどしている。

 AfDの躍進を受け、国内の複数の都市では抗議デモが発生。首都ベルリン(Berlin)では、AfDが祝宴を開いていたクラブの前に数百人が集まり、「ナチスは出ていけ」と叫んだ。