【9月25日 AFP】シリアを拠点にするイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のグループに属するシンガポール出身の戦闘員が、同組織が配信した動画に登場し、英国のヘンリー王子(Prince Harry)を挑発する発言を行った。監視団体と当局が24日、明らかにした。

 ISの動画にシンガポール出身の戦闘員が目立つ形で登場したのは初めてとみられる。動画は23日に配信され、米テロ組織監視団体SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)が発見した。

 シンガポール出身で「アブ・ウカイラ(Abu Uqayla)」と名乗る男は、ヘンリー王子が6月に同国を訪れた際に、ロンドン(London)で発生したテロ攻撃に言及したことに反論。

「男ならここへ来たらどうだ。お前とお前のアパッチ(Apache)攻撃ヘリを業火に送り込んでやる」と男は英語で述べている。

 ヘンリー王子は英陸軍に所属していた際、アフガニスタンでアパッチ攻撃ヘリに搭乗していた。

 シンガポール内務省は声明で、アブ・ウカイラと名乗る男はシンガポール人のメガト・シャーダン・ビン・アブドル・サマド(Megat Shahdan bin Abdul Samad)とみられると発表。この男の行動を以前から監視していたと明らかにした。

 シンガポール政府は、同国がテロに対して強硬な姿勢を取り、地域の金融の中心地とされていることからテロの主要な標的となっていると警告している。(c)AFP