【9月25日 AFP】スイス・ジュネーブ(Geneva)で開催されたオークションでこのほど、事前評価額500~800スイスフラン(約5万8000~9万2000円)とされていた中国の花器が、500万スイスフラン(約5億8000万円)で落札された。競売会社「ジュネーブ・アンシェール(Geneve-Encheres)」が明らかにした。

 落札されたのは、高さ60センチの黄地に青竜の図が3つ描かれた花器で、同社目録には20世紀の作品と記載されていた。しかし、注目を集めたのは18世紀中国の乾隆帝(Emperor Qianlong)時代の作品であることを示唆する未確認の印だった。

 21日に開催されたオークションでは、この花器を18世紀の作品と信じる入札者2人が激しく競り合った。最終的に落札したのは、会場を訪れていたアジアからの一般人コレクターで、もう一人は電話からの入札だった。落札価格は、カタログに掲載されていた評価額の1万倍となった。

 同競売会社のオリビエ・フィショー(Olivier Fichot)氏は、花器が作られた年代を正確に推定することは困難であり、同社では控えめに評価する傾向にあるとしている。

 今回の落札価格は、宝飾品や時計を除けば同社史上最高額だという。(c)AFP