【9月25日 AFP】ミャンマー軍は24日、暴力の連鎖で荒廃した同国西部ラカイン(Rakhine)州で、女性と子どもを含むヒンズー教徒28人の集団墓地を発見したと発表した。その上で、殺害に及んだのはイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の武装集団だと断定した。

 ラカイン州では先月25日にロヒンギャ武装集団による襲撃が発生して以来、宗教間の暴力紛争に発展し、以前はイスラム教徒と同じ村内に暮らしていたヒンズー教徒も、ロヒンギャ武装集団の標的にされていると訴えて数千人が避難している。

 同域ではミャンマー軍が立ち入りを厳しく規制しているため、発表の真偽の第三者的立場からの確認は取れていない。

 軍司令官のウェブサイトに投稿された声明には、「治安部隊がヒンズー教徒28人の遺体を発見して掘り起こした。ラカイン州の過激派テロ集団、アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)によって冷酷かつ暴力的に殺されていた」と記されている。

 ARSAによる襲撃が発端で、軍が激しい反撃を開始。国連(UN)からはあまりに残虐だとして、ロヒンギャの民族浄化に当たるという指摘も上がっている。

 ラカイン州からは1か月足らずで43万人以上のロヒンギャがバングラデシュに避難。避難者らはミャンマー軍の兵士らが自警団員と結託して民間人を殺害し、村全体を焼き払ったと訴えている。

 また同州内のヒンズー教徒と仏教徒の合わせて約3万人も、暴力行為のため避難を余儀なくされている。いずれもAFPの取材に対し、ロヒンギャ武装集団に恐ろしい思いをさせられたと語っている。(c)AFP