【9月24日 AFP】サウジアラビアで、元国王の隣にSF映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズのキャラクター、ヨーダ(Yoda)が座っている加工写真が誤って教科書に掲載され、教育省は22日、この教科書の回収を開始した。ソーシャルメディア(SNS)上ではこのミスをからかうコメントがあふれている。

 問題となった写真は、故第3代ファイサル国王(King Faisal)が1945年に国連憲章(Charter of the United Nations)に署名した際の白黒写真を国王とヨーダが並んで座っているように加工したもの。

 アハメド・イサ(Ahmed al-Eissa)教育相はツイッター(Twitter)で「この不注意によるミスを遺憾に思う」と表明。問題の写真が掲載された教科書は教育省が回収を開始し修正版を印刷中だと明らかにし、今回のミスの原因を究明するため法務委員会を組織すると発表した。

 問題となった加工写真の制作者はサウジアラビアのアーティスト、アブドラ・シェフリ(Abdullah al-Shehri)氏(26)だ。同氏は歴史的な写真にポップカルチャーの象徴的な存在を融合させた作品で知られる。

 シェフリ氏は米紙ニューヨークタイムズ(New York Times)の取材に、自分の加工写真が教科書に掲載されているのを見て驚いたと語った。ファイサル国王とヨーダを写真で組み合わせたのは、両者とも知的であることに加えて、ヨーダの肌とライトセーバーの緑色がサウジアラビア国旗の緑と合うからだと説明し、サウジ近代化の推進者と広く認識されているファイサル国王を侮辱する意図はなかったと強調した。

 しかし、ソーシャルメディア上ではこの騒動をちゃかすコメントが続々と投稿されている。

 サウジアラビアでは今年、教育省が学校での授業時間増を導入したことから、ある教員は今回の失態はその「しっぺ返し」の現れだと皮肉っている。(c)AFP