【9月23日 AFP】ロシアの首都モスクワ(Moscow)で22日、世界各地で広く使用されている自動小銃「AK47」の設計者、ロシア人の故ミハイル・カラシニコフ(Mikhail Kalashnikov)氏の除幕されたばかりの像から、ナチス・ドイツ(Nazi)の銃を描写したものと確認された部分が取り除かれた。

 像の建立を支援してきたロシア軍事史協会(Russian Military History Society)は国営タス通信(TASS)に対し「われわれは間違いについての情報を調べ、間違いであることを確認した。像を制作した彫刻家サラバト・シェルバコフ(Salavat Shtsherbakoff)氏が自身のミスを認めた」と語った。

 誤って彫られていた銃はアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が直々に命名したという説もあるStG44(シュトゥルムゲベーア、ドイツ語で突撃銃の意)。StG44は東部戦線(Eastern Front)の血みどろの戦いで、ナチス・ドイツの前線に立つ兵士たちに使用された。

 AK47の歴史をたどる部分にStG44の図が彫られていた。AFPのカメラマンは、作業員がアングルグラインダーを使ってStG44の図が彫られていた部分を消すのを見た。

 AK47――AK47の名称はカラシニコフが1947年に開発した自動小銃を意味する「アフトマット・カラシ二コバ1947」の略――が開発されたのは第2次世界大戦(World War II)後。同銃はソ連軍や世界中の革命勢力の標準的な装備となった。テロリズムや虐殺と結びつけられるなど悪いイメージもつきまとう。

 高さ7メートルのカラシニコフ像はモスクワ中心部の大通りに設置され、19日に除幕式が行われた。式典では軍の兵士らが行進し、ロシア政府高官も出席。ロシア正教会(Russian Orthodox Church)の聖職者が像に聖水をふりまいた。ウラジーミル・メジンスキー(Vladimir Medinsky)文化相は、カラシニコフ氏の功績をたたえ、世界中で1億丁以上複製されているとみられるAK47を「ロシアの文化的ブランド」と称した。

 像の本体はAK47を手にしているカラシニコフ氏を正確に表現している。(c)AFP