【9月22日 AFP】昨年の米大統領選にロシア当局が干渉したとされる疑惑をめぐり、フェイスブック(Facebook)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は21日、米国内の政治的対立をあおる目的で同サイト上に投稿されたとみられるロシア企業関連の広告について、米議会に情報提供する意向を明らかにした。

 フェイスブックは、「インターネット・リサーチ・エージェンシー(Internet Research Agency)」として知られるロシア企業が出稿した広告に関して今月初め、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官率いる大統領選捜査当局に情報を提供することに合意しており、さらに21日にはその情報を議会に引き渡すことを決定した。

 ザッカーバーグ氏はフェイスブックの自らのページで行ったライブ中継で「選挙を妨害しようとする国家に対処しなければならないことは、インターネット・コミュニティにとって新たな挑戦である」と述べた。さらに「われわれはフェイスブックの透明性の水準をいっそう高める」とし、「広告料が支払われているページがどれかを明らかにするだけではなく、ユーザーが出稿者のページを訪れ、彼らがフェイスブック・ユーザーにどんな広告を流しているか分かるようにしたい」とも述べた。

 同社の社内調査では昨年の米大統領選前後に、ロシア政府が背後にいると思われる偽アカウントを通じて、米国内の政治的分裂を増幅する内容の広告が出されていたとの結果が出ている。

 フェイスブック幹部によると、偽ニュースや誤解を与えるニュースを宣伝する広告、そうした情報が掲載されているページへのトラフィックを増やす目的の広告について、2015年6月から今年5月までの間に約470アカウントから計10万ドル(約1100万円)が費やされていた。約3000件の広告出稿に十分な額だという。(c)AFP/Glenn CHAPMAN