【9月22日 AFP】ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(93)は21日、国連総会(UN General Assembly)で行った演説で、米ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を「金ぴかの巨人ゴリアテ(Goliath)」だと批判した。

 国連総会の各国首脳演説では、他国の首脳に対する個人的な非難は調子を弱めるのが慣例。だが、世界最高齢の国家指導者であるムガベ大統領は、旧約聖書の中でイスラエル兵をあざけり圧倒する巨人兵士ゴリアテになぞらえ、トランプ氏をやり玉に挙げた。

「われわれの何人かは」と話し出したムガベ氏は、そこでいったん言葉を切り、強調するため間をおいてから「聖書に登場する金ぴかの巨人ゴリアテの復活めいたものを目にして、恐れるとまではいかずとも、困惑させられた」と述べた。

「ここに集まっているわれわれの真ん中に、他国を滅ぼすと脅迫するゴリアテが復活するのか?」とムガベ氏が続けると、議場内には拍手がわいたが、米外交関係者2人は無表情で聞いていた。

 さらにムガベ氏は、「米国の大統領トランプ氏へ言わせていただくならば」と名指しし、自画自賛や大風呂敷を広げるという意味の英語にかけて「トランペットを吹くならば、結束や平和、協力、連帯感、対話といった価値観につながる音楽的なやり方で吹いていただきたい。こうした価値観こそわれわれが常に支持してきたもので、それはわれわれにとって極めて神聖な文書である国連憲章(Charter of the United Nations)にしっかりと書かれている」と語った。

 トランプ大統領は19日、国連総会で行った初の演説で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼び、北朝鮮を「完全に破壊」すると警告して国連関係者を驚かせた。(c)AFP