【9月22日 AFP】サッカークロアチア1部リーグのディナモ・ザグレブ(Dinamo Zagreb)は21日、チームを指揮するマリオ・クビタノビッチ(Mario Cvitanovic)監督が、同国首都ザグレブ(Zabreb)の自宅アパートの前で2人の覆面襲撃犯にこん棒で殴られたことを明らかにした。

 地元メディアによると、42歳の元クロアチア代表で今年7月にクラブの指揮官に就任したクビタノビッチ監督は、20日に行われたクロアチアカップ(Croatian Cup)の試合の帰りに襲撃され、腕を骨折したという。

 同指揮官は腕にギプスを巻いて記者会見に臨み、襲撃の動機については思い当たらないとして、「私の人生はサッカーだけだ。選手との関係も申し分ない。私生活はクリーンで潔白だ。ただサッカーの監督でいることを望んでいる。サッカーで生活していきたい。私からこれを取り上げることはできない」と述べた。

 今季9試合を終えて勝ち点25でリーグ首位に立っているディナモは声明で、クビタノビッチ監督への襲撃は「ひきょう」だと述べ、「残念ながら、これは一連の事件に関係するものであり、当クラブの人間に対する暴力行為が完全に合法化されている」と主張した。

 クロアチアが旧ユーゴスラビアから独立して以降、通算18回のリーグ優勝を成し遂げている同クラブが、「もう目を覚まして、ディナモに起きていることをすべて無視するのはやめてもらいたい」と当局に訴えているのに対し、同国内相はクビタノビッチ監督を襲撃した犯人を見つけるために、警察は「必死で働いている」と述べた。

 この事件の1か月前には、クラブのズドラフコ・マミッチ(Zdravko Mamic)元会長が、ボスニア・ヘルツェゴビナで正体不明の犯人に脚を銃撃されているほか、今年7月にもクロアチア南部のブラチ(Brac)島で頭を殴られて海に転落している。

 クロアチアサッカー界で最も影響力のある人物と思われてきたマミッチ元会長は現在、職権乱用と現金1500万ユーロ(約20億円)および資産150万ユーロ(約2億円)の収賄罪で起訴されており、今年4月に出廷している。(c)AFP