【9月21日 AFP】(更新)マグニチュード(M)7.1の地震に見舞われたメキシコ中部では、20日も懸命の救助活動が続けられている。大きな被害が出ている首都メキシコ市(Mexico City)では、学校の倒壊現場で複数の生体反応が確認されているが救助活動は難航。国民が固唾をのんで見守っている。地震による死者は少なくとも230人に達した。

 倒壊したのはメキシコ市南部のエンリケ・レブサメン(Enrique Rebsamen)初等中等学校で、これまでに7歳から13歳までの子ども21人、大人5人が死亡した。いまだ多くの子どもたちが行方不明となっている。

 救助隊は赤外線サーモグラフィーを使って生存者の捜索活動を行い、地震発生から24時間となる20日午後までに、がれきの中に複数の生命反応があることを確認した。

 災害ボランティアのエンリケ・ガルディア(Enrique Gardia)氏(37)は「彼らは生きてる! 生きてるぞ!」と叫び、「ある場所では壁を複数回たたく音がしたし、別の場所では照明器具の光を使った反応があった」と述べた。

 しかし「われわれは昨日からここにいるが、彼らの元にたどり着けない。なぜなら彼らが2枚の厚板の間で身動きができなくなっているからだ」と訴えている。

 この学校では、これまでに子ども11人、教師1人ががれきの中から救助された。

 娘(7)の救助の知らせを待つアドリアナ・ファーゴ(Adriana Fargo)さんは「私が今味わっている苦しみは誰にも分からないでしょう」と語った。

 救助隊によると、家族らはメッセージアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」でがれきの中で身動きができなくなっている親族から救出を求めるメッセージを受け取っているという。

 メキシコ市のミゲル・アンヘル・マンセラ(Miguel Angel Mancera)市長が地元テレビ局テレビサ(Televisa)に語ったところによると、市内では39棟の建物が倒壊した。そのうち5棟では取り残されている人はいなかったという。また2棟からは少なくとも40人が救出された。

 エンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は20日、大きな被害が出たモレロス(Morelos)州ホフトラ(Jojutla)を視察。震災からの復興への助力を国民に呼び掛けるとともに、3日間の服喪を宣言した。(c)AFP/Jennifer GONZALEZ COVARRUBIAS, Yussel GONZALEZ