【9月20日 AFP】今日の米国のティーンエージャーは、70年代当時の若者と比べ、飲酒や性交渉、賃労働などを始めるのが3年ほど遅くなっているとする研究論文が19日、学術専門誌「チャイルド・デベロップメント(Child Development)」に発表された。

 論文は、1976年から2016年の間に米国で行われた大規模な調査7件に基づいている。

 これらの調査では13~19歳の若者が日々どのように過ごしているかを調べ、また飲酒やデート、仕事、車の運転、性交渉などのいわゆる成人的なアクティビティーに関わる頻度についても探っている。

 それぞれの調査データを比較した結果、2010年代の若者はそれ以前の数十年間と比べ、賃労働や車の運転、デート、飲酒、未成年のみでの外出、性交渉などに関わる頻度が低くなっていることが分かった。この変化は米国の全域で見られ、また人種や性別、社会経済の地位との関係性もみられなかった。

 主執筆者の米サンディエゴ州立大学(San Diego State University)のジーン・トウェンジ(Jean Twenge)教授(心理学)は、「青年期の発達曲線に遅れが生じており、ティーンエージャーの成長はかつてよりも遅くなっている」と指摘する。また「成人的アクティビティーの面では、現在の18歳はかつての15歳に近い」とも説明した。

 変化の主要な要因について研究者らは、大幅に増えたインターネットの利用時間である可能性もあるとしている。

 宿題や課外活動が若者の関心を成人の活動から引き離していると指摘する意見も一部にはあるが、今回の研究結果はその見方を否定している。研究では、これら活動に費やす時間について13~16歳では減少しているが、18歳、そして大学では安定しているとのデータが示されているためだ。

 研究者らは、その理由が何であれ、ティーンエージャーらが成人的なアクティビティーに付随するリスクと責任を受け入れるタイミングが遅れているようだと話す。

 他方で一部の専門家は、今後10~15年後に近年のコンピューター世代がどうなるかが本当の問題であると指摘し、親は子どもはインターネットに費やす時間を制限し、外で運動したり、本を読んだり、友達と遊んだりすることを奨励すべきだと主張している。(c)AFP/Kerry SHERIDAN