【9月20日 AFP】米南部ジョージア(Georgia)州の大学で、うつ病を患っていた大学生が警察に銃で撃たれて死亡した。キャンパスでは抗議活動が行われ18日夜には衝突も発生。警察当局による殺傷力のある武器の使用をめぐる議論に新たな一石を投じている。

 死亡したのはジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)でコンピューター・エンジニアリングを専攻していたスカウト・シュルツ(Scout Schultz)さん(21)。遺族によると、シュルツさんは当時、警察にとって差し迫った危険な存在ではなく、逆に助けを必要としていたという。

 シュルツさんは学業優秀で大学のキャンパスで同性愛者の権利を訴える活動にも熱心に取り組んでいたが、今年の夏はうつ病の症状に悩まされていた。

 現地の捜査当局によると、シュルツさんは16日夜、自分の部屋に遺書3通を残して、キャンパスに不審人物がいると自ら通報。不審人物について、ナイフ1本を所持しており、銃1丁も持っている恐れがあると説明していた。

 当時の様子を撮影した動画には、ナイフを捨てるよう命じた警察に対し、はだしでかなり取り乱した様子のシュルツさんが「私を撃て!」と言い返す姿が映し出されている。

 ジョージア工科大学は、警察官らは「武器」を所持したシュルツさんを発見したが、それを捨てるのを拒んだと述べいてるが、遺族の弁護士は、シュルツさんが所持していたのは収納状態の多目的工具で差し迫った危険はなかったと主張している。(c)AFP