【9月19日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が推し進めている「麻薬撲滅戦争」で、十代の若者が相次いで警察により殺害されたことに懸念を表明した同国の人権機関の代表を、ドゥテルテ氏が「幼児性愛者」よばわりして罵倒した。

 フィリピンでは麻薬の運び屋と疑われた17歳の少年が警官に射殺されるなど、十代の若者が犠牲となる事件が続いており、ドゥテルテ氏の容赦ない姿勢にカトリック教会や左派の活動家らが抗議の声を上げている。

 一方のドゥテルテ氏は16日夜に行った演説で、警察の捜査に懸念を示していたフィリピン人権委員会(Philippine Commission on Human Rights)のホセ・ルイーズ・ガスコン(Jose Luis Gascon)代表を非難し、「あのガスコンはいつまで『十代の若者が、十代の若者が』と言い続けるのだ?幼児性愛者のようだな、あの野郎」と罵倒した。

 また、「なぜそれほど十代の若者に興味がある?ずっと疑問に思っている。お前は同性愛者か幼児性愛者なのか?」とまくし立てた。

 ドゥテルテ氏はさらに、子どもが殺されていることは珍しいことではないと主張した上、人権団体のトップといった大統領に批判的な人々が政治的な反対運動に若者の死を利用していると非難。

 ドゥテルテ氏は同国南部でのイスラム過激派による騒乱を引き合いに出しながら、「若者、若者ってばかか。全部政治的な話だ。どうしてこの国を悩ます他の問題に目を向けることができない?」と述べ、「子どもが殺されたから?そんなことはどこでも起きている」と吐き捨てた。(c)AFP