【9月19日 AFP】バングラデシュ政府は18日、ミャンマーでの暴力を逃れてこの3週間にバングラデシュに避難してきたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)のうち7万人が妊婦と乳飲み子を抱えた女性だと明らかにした。

 国連(UN)によると、8月25日以降にバングラデシュに到着したロヒンギャは41万5000人に達し、国境近くの難民キャンプは突然のロヒンギャ大量流入に対応しきれない状態だという。

 バングラデシュにたどり着いたロヒンギャの大半は女性と子どもだ。しかし難民への必要物資や施設の提供は難航しており、人道危機の様相を呈していると援助団体は警鐘を鳴らしている。

 ハサヌル・ハク・イヌ(Hasanul Haque Inu)情報相は記者会見で、難民キャンプに新たに到着する人の中には妊婦と乳児を抱えた女性が大勢おり、その割合は6人に1人程度だという。

 そのうえでイヌ情報相は「妊婦と乳飲み子を抱えた母親たち7万人には特別な保護を提供している」と付け加えた。

 国連はミャンマーとの国境に近いコックスバザール(Cox's Bazar)のキャンプは耐えがたい状況にあると警告している。

 イヌ情報相によれば、劣悪な衛生環境を向上するために広大なキャンプ各所にトイレ約1万6000個が設置されたほか、野外で寝泊まりする人の安全確保のため監視所も設けられた。

 バングラデシュのイスラム強硬派からは同じイスラム教徒のロヒンギャ保護のために武力を行使すべきとの声が上がっているが、イヌ情報相は武力による問題解決は否定している。

 首都ダッカ(Dhaka)では18日、ロヒンギャに対する「大量虐殺」の終結を求めてイスラム強硬派ら少なくとも2万人が抗議活動を行った。(c)AFP