【9月19日 AFP】実験的な試みに挑んできた米歌手ビヨンセ(Beyonce)だが、さすがにこれはちょっとやり過ぎ?──一部のファンが購入したビヨンセの最新アルバム「レモネード(Lemonade)」のアナログレコードをかけると、カナダのパンクバンドの曲が流れてきたのだ。

 カナダの首都オタワ(Ottawa)出身のハードコアパンクの4人組ZEXは、ターンテーブルの上でビヨンセの「レモネード」とラベルが貼られた黄色いレコードをかける映像をフェイスブック(Facebook)に投稿。レコードから聞こえるのは自分たちのバンドが演奏するパワフルなギターサウンドとボーカルのシャウトだ。

 ビヨンセが所属しているレコードレーベル、コロムビア・レコード(Columbia Records)は声明で製造ミスを認め、原因はドイツの工場での何らかの「人為的ミス」と発表。芸術的な意図があったのではないかとの臆測を否定し、「ビヨンセとZEXは、このミスプレス盤については知らなかったし、責任もない」と述べている。

 ミスが起きたのは、少ない枚数しか製造されていない「レモネード」のレコードのA面だけで、コロムビアは返金と交換に応じるとしている。

 フェイスブックページの「いいね!」が6400万のビヨンセに対して8000のZEXだが、同グループはその後、興味を抱いた人向けに自分たちの楽曲を購入できるウェブサイトのリンクも貼っている。

 昨年発売された「レモネード」はポップ界のスーパースター、ビヨンセのキャリアの中で最も実験的なアルバムとされており、ヒップホップ、カントリーミュージック、ハードロックと多様なジャンルの音楽が盛り込まれている。また、共演者として米ミュージシャンのジャック・ホワイト(Jack White)や、サンプリングに使用した楽曲の作曲者として英ロックバンド、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のメンバーもクレジットに名を連ねている。(c)AFP