【9月19日 AFP】世界で最も乾燥した地域の一部に住む約1億人が主食としている穀類トウジンビエ(学名:Pennisetum glaucum)のゲノム(全遺伝情報)の解読に成功したとの研究論文が18日、発表された。

 小麦、トウモロコシ、コメなどの研究は進んでいる一方、アフリカで4500年にわたって栽培されているトウジンビエに関する知識は比較的少なかった。英科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)」に掲載された論文によると、今回のゲノム解読は、収穫高がより多く、気候変動への耐性がより高い新品種を作出する助けになるという。

 小さくて丸い種子の雑穀トウジンビエは、痩せた土地とわずかな水でも迅速に育つ。今後、気候変動によって水の需給が切迫する「水ストレス」が高まるとみられる地域では、トウジンビエ栽培が広く求められるようになる可能性が高い。

 仏開発研究所(IRD)の遺伝学者、イブ・ビグロー(Yves Vigouroux)氏は「未来の気候においては、トウジンビエはトウモロコシよりはるかに高い収穫をもたらすはずだ」と述べている。(c)AFP/Laurence COUSTAL