【9月19日 AFP】ボクシング元ヘビー級王者で騒動が絶えないタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が、英国反ドーピング機関(UKAD)に対し、違法薬物の摂取に関する処分決定を早めるか、もしくは潔白を証明してキャリアを再開できるようにすることを訴えた。

 2015年11月にウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)からWBA・WBOおよびIBFの世界ヘビー級王座を奪取して以降、リングから遠ざかっている29歳のフューリーは、ドーピング疑惑が昨年浮上し、現在はUKADのヒアリングを待っている状態となっている。

 パネルメンバーの1人に利益相反の可能性があるとして、UKADは今年5月に予定されていたヒアリングを延期しており、それ以降は具体的な日程を発表していない。UKADはフューリーの問題についてコメントを控えるとしており、調査期間についても決まっていないとつけ加えている。

 フューリーは自身のツイッター(Twitter)に「いつまで中ぶらりんのまま、活動できない状態に置かれていなければならないんだ?調査対象にされてから15か月にもなる。無実の人間が自分の運命を全うすることに加え、家族を養うことができないままにされている」と投稿した。

 フューリーはまた、UKADが同選手の人権を無視していると主張し、「ほかのやつらへの対処は数か月なのに、なぜ俺は違う扱いを受けなくてはならない?」と述べている。

「こんなことが起きないように、人権法というものがあるべきなんだ。俺を罰するか自由にするかどちらかにしてくれ。俺はずっと中途半端な状態に置かれている!自分の人生を前に進めたいんだ!俺の潔白を証明して、元の栄光の座に戻してくれ」

 昨年10月にうつ病の治療としてコカインを摂取したことを認めたフューリーは、今年5月に英国ボクシング管理委員会(BBBofC)からライセンス停止処分を言い渡され、「ドーピング違反と健康問題に関する詳しい調査については保留する」とされた。

 クリチコ戦で世界タイトルを獲得したフューリーだったが、精神的な問題に直面してタイトルを手放すことになった上に、BBBofCからは活動停止処分を科されることになった。IBFとWBAのタイトルについては現在、アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)が保持している。(c)AFP