【9月16日 AFP】ネパールが世界最高峰エベレスト(Mount Everest)の標高が2015年の大地震で変化していないかどうかを確かめる測量作業を開始した。同政府が15日に発表した。

 ネパール測量局のガネーシャ・プラサド・バッタ(Ganesh Prasad Bhatta)局長によると、国内外の専門家らから成るチームは調査方法の検討を始めており、調査には2年かかる見通しだという。計画では4月または10月にネパール人ガイドのシェルパの一団が測量機器などをエベレスト山頂に運び上げる。

 バッタ局長はAFPに対し、「エベレスト山頂はネパール領土内にも位置しているにもかかわらず、わが国はエベレストを測量したことが一度もなかった。そのため、私たちにもエベレストの測量ができるということを国民に証明したい」と語った。

 ネパールや中国などの国境にまたがるヒマラヤ山脈(Himalayas)にそびえるエベレストの標高は公式では8848メートル。1954年にインドの調査隊が最初に記録したもので、以来、さまざまな団体が測量を行ってきたが、同年に記録された数字が標高として広く受け入れられている。

 2015年4月、ネパールで発生したマグニチュード(M)7.8の大地震では数千人が犠牲となったほか、首都カトマンズ(Kathmandu)の地下の地盤が南方へ約3メートル移動するなど、国内の地形に大きな影響を及ぼした。そのため、エベレストも変化しているのではないかとの見方が広がっている。(c)AFP